日本・ヨーロッパ文化交流財団(略称;JEACEF)が、昨年9月に発足して、6ヶ月経ち、第一期を終了しました。この間の関係各位のご支援に心より感謝を申し上げます。
さてヨーロッパと日本は、16世紀の大航海の時代から、ダイレクトな交流が始まり、伊万里、九谷などの陶磁器が多く輸出されました。また1867年のパリ万博に、日本が初めて参加し、包装紙として用いられていた浮世絵が評判を呼び、サツマの陶器がブームを巻き起こし、多くの日本の工芸品や骨とう品が輸出されました。そこで起こったジャポニズムや自然観は、エミールガレのガラス器や、マイセンの図柄、また印象派の絵画にも大きな影響を与えました。
今グローバルな時代になり、世界各国の交流はますます盛んになっていますが、こんな時代だからこそ、表面的にならず、ヨーロッパと日本のそれぞれの文化や歴史を探訪し、思想や人間性をお互いに深く理解し、未来に対応する叡智や行動を発揮するべき時代を迎えています。文化の交流やそれによる自己の見つめなおしは、それが創造力の源泉にもなり、更に経済への波及効果も期待されます。
当財団は設立されてからまだ一年にも満たぬ状況で、できることは限られていますが、具体的な活動を通じて、このような理念に少しでも貢献できればと考えております。皆様の、引き続きのご支援とご協力を、何卒よろしくお願い申し上げます。
令和3年 3月12日
理事長 更家悠介